特定技能「介護」在留資格とは?1号の条件・受入れ要件を徹底解説【2026年版】

特定技能「介護」(特定技能1号)は、深刻な介護人材不足を補うために2019年に創設された在留資格です。本記事では、1号の取得条件(技能試験・日本語試験・試験免除ルート)、受入れ施設の要件、在留資格「介護」との違い、介護分野に特定技能2号が設けられていない理由と長期定着ルートまで、介護施設の採用担当者が知るべき情報を体系的に解説します。2025年12月末時点の最新統計(出入国在留管理庁公表・ICO Japan集計)と2026年3月の制度動向を踏まえ、5年後を見据えた長期採用戦略の設計指針を提示します。
「特定技能で採用すると、5年で帰国させなければならないのでは?」——この懸念を持つ施設担当者は多くいます。しかし、それは制度の一面だけを見た理解です。
介護分野の特定技能制度には、他の多くの分野とは異なる「出口」が設計されています。介護福祉士国家資格の取得を経て在留資格「介護」へ移行するルートです。この仕組みを正確に把握しているかどうかで、5年後の人材定着率に大きな差が生まれます。
本記事では、特定技能1号(介護)の制度概要・取得条件・受入れ要件から、競合記事が十分に触れていない「なぜ介護分野には特定技能2号がないのか」「在留資格『介護』が担う役割」「監査・実地指導で問題になりやすいポイント」まで、実務判断に直結する情報を整理します。
特定技能「介護」の在留資格とは何か——制度の基本
特定技能「介護」は、2019年4月に施行された特定技能制度の一分野です。生産性向上や国内人材確保の取り組みを行ってもなお人手不足が深刻な分野で、一定の専門性・技能を持つ外国人が就労できる制度として設計されました。
介護分野の特定技能1号の受け入れ見込み数は126,900人(令和11年3月末までの累計上限として設定)とされています。2025年12月末時点の在留者数は67,871人で、受け入れ見込み数に対する充足率は50.3%です(出入国在留管理庁公表統計をICO Japanが集計)。
2026年3月には、外食分野において受け入れ上限の運用が開始されました。これは特定技能制度が「必要な時にいつでも使える仕組み」ではなく、分野ごとに進捗が異なることを示す出来事です。介護分野は現時点では充足率50%台であり、まだ受け入れ余地があります。ただし今後の動向には引き続き注目が必要です。
特定技能1号(介護)はどのような外国人が対象となるのか
特定技能1号「介護」の対象者は、18歳以上で以下の要件を満たす外国人です。
- 介護の現場で必要な技能・知識を有すること(試験または実務修了で証明)
- 日本語能力が一定水準以上であること(基礎テストまたはJLPT N4以上)
- 健康状態が良好で、素行が善良であること
- 入管法等に違反する経歴がないこと
技能実習2号を介護職種で良好修了した外国人は、介護技能評価試験と介護日本語評価試験が免除されます。この「移行ルート」を活用することで、すでに現場経験を持つ人材を継続して雇用できます。
在留期間は最長何年か——更新ルールと5年上限
特定技能1号「介護」の在留期間は、1回の許可ごとに「1年・6か月・4か月」のいずれかで付与されます。更新は可能ですが、通算で5年を超えることはできません。
ただし、この5年は「終了」ではなく「次のステップへの準備期間」として捉えることが重要です。介護福祉士国家資格を取得した場合、在留資格「介護」への変更申請が可能になります。在留資格「介護」には更新の上限がないため、長期的に就労を継続できます(詳細は後述)。
📌 在留期間の更新には、就労継続と支援計画の適正な実施を証明する書類が必要です。最新の手続き詳細は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。
特定技能1号「介護」の取得条件・試験要件は何か
特定技能1号「介護」の取得には、外国人材本人が以下の要件を満たす必要があります。試験ルートと免除ルートの2種類があります。
| 要件 | 内容 | 水準 |
| ①技能要件 | 介護技能評価試験の合格(CBT方式) | 合格基準に達すること |
| ②日本語要件(基礎) | 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2以上 または日本語能力試験(JLPT)N4以上 | A2レベル認定 またはN4合格 |
| ③日本語要件(介護) | 介護日本語評価試験の合格 | 合格基準に達すること |
| ④健康・素行要件 | 健康状態が良好、素行が善良であること | 申請時に確認 |
| 技能実習2号修了(免除ルート) | 介護職種で技能実習2号を良好修了した場合は①③が免除 | ②(日本語基礎)は原則必要 |
介護技能評価試験と日本語試験の合格基準は
介護技能評価試験はCBT(コンピュータ試験)方式で実施されます。介護の基礎的な知識・技術、安全衛生などが出題範囲です。日本国内のほか、インドネシア・フィリピン・ベトナム・ミャンマー・ネパールなど複数の国でも受験可能です。
日本語要件は「基礎」と「介護」の2段階です。国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)のA2レベル認定またはJLPT N4以上に加え、介護現場で使う日本語の実用理解を問う「介護日本語評価試験」への合格が必要です。
📌 試験の実施頻度・申込方法・受験費用は国や実施機関によって異なります。最新情報は介護技能評価試験事務局の公式サイト、または出入国在留管理庁の情報をご確認ください。
技能実習2号からの移行で試験免除になる条件とは
介護職種で技能実習2号を「良好に修了」した外国人は、介護技能評価試験と介護日本語評価試験が免除されます。「良好修了」とは、実習計画に従って実習を行い、技能実習2号の評価試験に合格したことを指します。
この免除ルートは、施設内ですでに業務経験を積んだ人材を継続雇用できるため、採用・育成の負担軽減につながることがあります。なお、日本語能力試験(N4以上)または国際交流基金日本語基礎テスト(A2以上)は原則として免除されません。
移行申請には技能実習2号の修了証明書、評価試験の合格証明書などが必要です。在留期限が近づく前に余裕を持って準備を始めることが推奨されます。
介護分野に特定技能2号はあるのか——設けられていない理由と長期就労の設計
介護事業者がよく混同するポイントに、「介護分野の特定技能2号」があります。結論から述べると、現時点において介護分野には特定技能2号は設けられていません。出入国在留管理庁の法令上、介護分野は特定技能2号の対象分野に含まれていません。
他分野の1号→2号ルートと介護分野は何が違うのか
建設・造船・製造業など多くの分野では「特定技能1号(最大5年)→特定技能2号(更新に上限なし)」という熟練技能者ルートが設けられています。2号は、習熟した技能を有する外国人が長期・継続的に就労できる仕組みです。
介護分野については、国家資格制度(介護福祉士)がすでに熟練度の認定機能を担っています。介護福祉士国家試験という検定制度が整備されているため、制度設計上、特定技能2号を別途設ける必要がないとされています。
この点は厚生労働省・出入国在留管理庁の公式情報でも明示されており、今後の変更については定期的に最新情報を確認することをお勧めします。
在留資格「介護」が長期就労の出口を担う仕組み
在留資格「介護」は、介護福祉士の国家資格を取得した外国人が申請できる就労系在留資格です。在留期間は5年・3年・1年・3か月の単位で付与され、更新に上限がありません。条件を満たせば家族帯同も認められます。
つまり、介護分野の就労設計は「1号→2号」ではなく、「特定技能1号(最大5年)→介護福祉士取得→在留資格『介護』(更新上限なし)」という独自のルートになっています。この流れを最初から設計に組み込むことが、長期的な人材定着の鍵となります。
特定技能「介護」と在留資格「介護」の違いは何か
名称が似ているこの2つの在留資格は、必要な要件・在留条件・就労範囲のすべてにおいて異なります。制度設計の理解が採用戦略の出発点になります。
| 比較項目 | 特定技能1号「介護」 | 在留資格「介護」 |
| 必要な資格・要件 | 介護技能評価試験+日本語試験合格 (または技能実習2号良好修了) | 介護福祉士国家資格の取得 |
| 在留期間 | 1回ごとに1年・6か月・4か月のいずれか 通算上限5年 | 5年・3年・1年・3か月 (更新に上限なし) |
| 家族帯同 | 原則不可 | 条件を満たせば可 |
| 訪問系業務 | 原則対象外 (一定要件を満たした場合に限定) | 対象(訪問介護含む全サービス) |
| 転籍・転職 | 同一の特定産業分野内で可 | 制限なし(介護福祉士として) |
| 長期定着への道 | 在留資格「介護」への変更が主ルート | 永住申請の要件(在留年数)積み上げが可能 |
在留期間・家族帯同・必要資格の比較ポイントは
最も重要な違いは在留期間の上限と家族帯同の可否です。特定技能1号は通算5年が上限で、家族帯同はできません。在留資格「介護」は更新に上限がなく、条件を満たした場合に家族帯同が認められます。
家族帯同の可否は、外国人材の定着意欲に影響することがあります。将来的に家族と一緒に日本で生活できる見通しがあることで、長期的な就労継続への動機づけになりやすいとされています。採用段階からキャリアパスを丁寧に共有することが、定着率の向上に寄与することがあります。
どちらを目指すべきか——キャリアパスの観点から
短期間の人員補充が目的であれば特定技能1号のみで対応できます。しかし、人材不足の根本的な解消を目指すのであれば、特定技能1号を「入口」として在留資格「介護」への移行を見据えた育成計画が必要です。
事業者としての判断軸は「採用コストを毎回かけ続けるか、育成コストをかけて長期定着を実現するか」という点に整理できます。どちらが自施設の状況に合うかは、職員規模・離職率・採用予算などを踏まえて検討することが一般的に推奨されます。
介護施設が特定技能人材を受け入れるための要件は何か
特定技能外国人を受け入れる事業者(受入機関)は、出入国在留管理庁と厚生労働省が定める一定の基準を満たす必要があります。主要な要件を以下に整理します。
- 労働・社会保険関連法令を遵守していること
- 同等の業務に従事する日本人常勤介護職員と同等以上の報酬を支払うこと
- 受入れ人数が日本人等常勤介護職員の総数を超えないこと(受入れ人数の上限)
- 介護分野における特定技能協議会に所定の期間内に加入すること
- 特定技能外国人の支援計画を策定し、適切に実施すること(または登録支援機関に委託すること)

受入れ可能な施設種別と対象外の業務とは
特定技能「介護」が従事できる業務は、身体介護・生活支援業務です。以下に施設・サービス種別ごとの受入れ可否の一般的な整理を示します(最新の要件は厚生労働省・出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください)。
| 施設・サービス種別 | 受入れ可否 | 備考 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | ○ 可 | 施設系の中心。受入れ実績が多い |
| 介護老人保健施設(老健) | ○ 可 | 身体介護・生活支援業務 |
| 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅 | ○ 可 | 特定施設入居者生活介護の指定がある場合 |
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | ○ 可 | 介護分野の対象施設として含まれる |
| 通所介護(デイサービス) | ○ 可 | 身体介護・生活支援業務 |
| 訪問介護(ホームヘルプ) | 原則対象外 | 在留資格「介護」(介護福祉士)であれば可。最新の制度要件は公式情報を確認 |
⚠ 重要:訪問介護(ホームヘルプ)は特定技能1号では原則として対象外です。在留資格「介護」(介護福祉士)の場合は訪問介護を含む全サービスに従事できます。訪問系サービスが主体の事業所は、人材の育成計画を含めて検討することが推奨されます。
受入れ人数上限・協議会加入義務をクリアする方法は
受入れ人数の上限は「日本人等常勤介護職員の総数」が基準です。例えば常勤介護職員が15名の施設であれば、特定技能外国人は最大15名まで受け入れられます。日本人職員の変動(採用・退職)に伴い、この上限も変動するため随時確認が必要です。
介護分野特定技能協議会への加入は、最初に特定技能外国人を受け入れた後、所定の期間内に手続きを完了させる義務があります。最新の加入手続きの詳細・期限は厚生労働省の公式情報でご確認ください。加入が遅れると法令違反となるため、受入れ決定と並行して手続きを進めることが推奨されます。
5年後を見据えた介護福祉士・在留資格「介護」への移行設計とは
特定技能1号(介護)の最大5年を、人材の育成・定着につなげるためのロードマップを整理します。以下は実務経験3年ルートを軸とした標準的な設計例です。
| 時期 | 段階 | 取り組み・事業者の支援例 |
| 入国〜1年目 | 特定技能1号として就労開始 | OJTによる業務習熟 / 日本語研修の機会確保 / 住居・生活支援の整備 / 定期面談の開始 |
| 2年目 | 業務定着・資格準備開始 | 担当範囲の拡大 / 実務者研修の受講開始(通信+スクーリング) / 試験対策の準備 |
| 3年目 | 介護福祉士国家試験受験 | 実務経験3年以上+実務者研修修了で受験資格を取得 / 業務時間内に学習時間を確保 / 試験対策支援 |
| 4年目 | 資格取得・在留資格変更準備 | 介護福祉士取得後、在留資格「介護」への変更申請 / キャリアアップ面談 / 家族帯同の検討 |
| 5年目以降 | 在留資格「介護」で長期定着 | 更新上限なしで就労継続 / 訪問系サービスへの配置も可能 / リーダー職・教育担当への登用検討 |
何年目から介護福祉士の取得準備を始めるべきか——ルートと費用の考え方
介護福祉士の取得ルートは主に2つあります。
- 実務経験3年+実務者研修修了ルート:就労しながら資格取得を目指す。実務者研修の受講費用は概ね10〜20万円程度とされることが多い(受講機関や地域によって異なる)
- 介護福祉士養成施設(専門学校等)2年修了ルート:日本語能力・学習習慣が十分な人材に向く。学費は2年間で概ね150〜300万円程度とされることが多く、奨学金・助成金等の活用も検討できる
最適な時期や方法は、人材の日本語力・在留期間・本人の意向などを踏まえて個別に検討することが一般的です。施設と人材が早い段階からキャリア目標を共有することが、取得に向けた動機づけになります。
合格率を高めるための教育・支援体制の考え方は
外国人材が国家試験に合格するためには、業務と並行した継続的な学習の機会が重要とされています。以下は一般的に有効とされている支援例です。
- 業務時間内に学習時間を確保する(週数時間程度の確保でも継続的な学習につながる)
- 通信教材・専門講師による試験対策の機会を提供する
- 介護専門用語・医療用語など日本語学習の継続支援を行う
- 合格者の体験談を職場内で共有し、取得への動機づけを高める
外国人材の国家試験合格率には、施設側の学習環境の整備が影響することが多いとされています。具体的な実績データについては、各養成機関や研修機関の公開情報をご参照ください。
特定技能介護の受入れで失敗しやすいポイントは何か
受入れ開始後に「想定外の事態」を避けるために、実際によく見られる問題パターンと実地指導で指摘されやすい事項を整理します。
監査・実地指導で指摘されやすい事項とは
特定技能外国人を受け入れた施設は、出入国在留管理庁による実地調査の対象となることがあります。以下の事項は指摘されやすいとされるポイントです。
| よくある指摘事項 | 内容と確認ポイント |
| 報酬の同等性が未達成 | 日本人常勤介護職員と同等以上の報酬が必要。パートタイム職員との比較では要件を満たさないため注意 |
| 支援計画の未実施・記録不備 | 定期面談(3か月に1回以上)の記録がない、生活ガイダンスを未実施など14項目の支援義務の不履行 |
| 受入れ人数の上限超過 | 日本人等常勤介護職員数の範囲内でしか受け入れられない。職員数の変動に伴い随時確認が必要 |
| 協議会への加入遅延 | 最初の受入れ後、所定期間内に介護分野特定技能協議会への加入申請が必要。遅延は法令違反となる |
| 労働条件の違反 | 時間外労働の管理・36協定の締結と届出・休日・休憩の適正付与など労基法遵守 |
⚠ 法令違反が確認された場合、在留資格の取消や受入れ停止などの措置につながることがあります。受入れ前に行政書士・登録支援機関と連携してコンプライアンス体制を確認することを推奨します。
早期離職を防ぐために事業者が取るべき対策は
外国人材の早期離職の主な原因として、「生活面の不安」「職場でのコミュニケーション不足」「将来ビジョンの不透明さ」が挙げられることが多くあります。以下のような対策が有効とされています。
- 来日前に住居・銀行口座・健康保険の手続きをサポートし、来日初日から業務に集中できる環境を整える
- 業務時間内に日本語学習の機会を設け、日常会話から専門用語まで段階的な習得を支援する
- 採用段階から「介護福祉士→在留資格『介護』→長期定着」のロードマップを丁寧に伝える
- 3か月に1回以上の定期面談を通じて、不満や不安を早期に把握・対応する
- 日本人スタッフへの多文化理解の機会を設け、受入れ環境を整備する
技能実習・特定技能・在留資格「介護」の3制度を比較する
介護分野で外国人材を受け入れる方法は複数あります。自施設の規模・採用目的・体制に応じた制度選択が重要です。主要3制度の比較を以下に示します。
| 比較項目 | 技能実習 | 特定技能1号「介護」 | 在留資格「介護」 |
| 主な目的 | 技能移転(国際貢献) | 即戦力として就労 | 専門職として長期就労 |
| 在留期間 | 最長5年(1〜3号) | 通算上限5年 | 更新に上限なし |
| 必要資格 | 技能実習計画の認定 | 技能試験+日本語試験 | 介護福祉士国家資格 |
| 家族帯同 | 不可 | 不可 | 条件付きで可 |
| 転籍の自由度 | 原則不可 | 同一分野内で可 | 制限なし |
採用コスト・定着率・手続き負担の違いは
技能実習は「国際貢献・技能移転」を目的とした制度であり、送り出し機関・監理団体・実習計画認定など手続きが複雑で時間がかかります。特定技能は即戦力採用を前提とした制度であり、手続きは技能実習より比較的シンプルです。ただし支援計画の策定・実施義務があります。
初期費用は採用形態・国・紹介機関によって大きく異なります。定着率は制度の種類より育成・支援体制の質に依存する部分が大きいとされています。単純な制度比較だけでなく、自施設の受入れ体制・サポートリソースも踏まえて総合的に判断することが推奨されます。
自施設に最適な外国人材ルートを判断する基準とは
制度選択の判断軸として、「採用の緊急性」「育成にかけられる期間とリソース」「長期雇用の意向」の3点が参考になります。
- 短期的な人員補充が優先 → 特定技能1号(試験合格者または技能実習2号修了者の移行)
- 数年をかけて現場戦力を育てる体制がある → 技能実習から特定技能への移行ルートも選択肢
- 訪問系業務を担える長期戦力を育てたい → 特定技能1号を起点とした在留資格「介護」移行ルートの設計
- 地域の送り出し機関・監理団体との連携体制がある → 技能実習も引き続き選択肢となりうる
介護分野の外国人材は今どこの国から来ているか——2025年12月末時点
介護分野の外国人材の国籍構成は、特定技能全体の印象とは異なります。出入国在留管理庁の統計(2025年12月末時点)をICO Japanが集計した最新データは以下のとおりです。
| 国籍 | 介護分野 人数 | 介護内シェア | 全分野での位置 |
| インドネシア | 21,139人(介護分野1位) | 31.1% | 全分野2位 |
| ミャンマー | 19,803人(介護分野2位) | 29.2% | 全分野3位 |
| ベトナム | 10,401人(介護分野3位) | 15.3% | 全分野1位 |
| ネパール | 6,013人 | 8.9% | 全分野6位 |
| フィリピン | 5,704人 | 8.4% | 全分野4位 |
| 全国籍 合計 | 67,871人 | 100% | 充足率 50.3% |
出典:出入国在留管理庁公表統計(2025年12月末時点)をICO Japanが独自集計・分析。充足率は介護分野の受け入れ見込み数(126,900人)に対する数値。
特定技能全体ではベトナムが最多(全分野合計の41.5%)ですが、介護分野に限るとインドネシアが最多(21,139人)、ミャンマーが続きます(19,803人)。ベトナムは介護分野では三番手です。
この構図が示しているのは、外国人材の採用において在留資格・スキル・継続意欲を軸に検討することの重要性です。特定の国籍に依存した採用計画は、実際の供給状況とのギャップが生じる場合があります。
登録支援機関の活用——外国人材支援サービスについて
特定技能外国人の受入れには、支援計画の策定・実施義務が伴います。自社での対応が難しい場合は、登録支援機関への委託が一般的な選択肢です。
ICO Japanのサポート体制について
ICO Japanは、外国人材の法的手続き・定着支援を重視し、登録支援機関として生活支援・就労サポートを提供しています。外国人材の支援経験10年以上を有し、法令遵守・トラブル防止に重点を置いた運営を行っています。
在留資格・スキル・継続意欲・適性を中心とした人材の提案を行い、来日前のオリエンテーションから来日後の定期フォロー(生活・日本語・メンタル面の支援)まで対応しています。
現在、関東・関西・東海エリアを中心に、グループとして累計約2,000名以上の外国人材を日本企業へ紹介しています(複数の特定技能対応分野)。特定技能は約150名以上を支援中(数値は更新中)、技能実習生は日本国内で約500名をサポート中です。
初回相談から採用までの流れ
受入れ支援の一般的な流れは以下のとおりです。
- 初回ご相談(無料):受入れ希望条件・施設規模・人員状況のヒアリング
- 受入れ可否の確認:施設要件・常勤職員数による上限の確認
- 候補者プロファイルの提示:在留資格・試験合格状況・日本語レベルを確認
- 面接・採用決定:オンラインまたは現地での面接
- 在留資格申請サポート:必要書類の確認・申請連携
- 来日準備・定着支援:住居手配・生活支援・就労後の定期フォロー
FAQ:特定技能「介護」在留資格のよくある質問
特定技能介護で訪問介護の業務に従事できるか
特定技能1号「介護」では、訪問介護は原則として対象外です。介護福祉士国家資格を取得して在留資格「介護」に移行した場合は、訪問介護を含む全サービスに従事できます。
特定技能から介護福祉士取得までの現実的な期間は
実務経験3年ルートでは、就労開始から最短3年で受験資格を得られます。日本語力・学習習慣・施設の支援体制によって異なりますが、4〜5年を目安とするケースが多い傾向にあります。

登録支援機関に委託せず自社対応は可能か
法令上は可能です。ただし支援計画書の策定・定期面談の記録・生活支援の実施など14項目の義務的支援を自社で履行できる体制が必要です。外国人材の受入れ経験が浅い事業所では、登録支援機関の活用を検討することが一般的です。
受入れ後に外国人材が離職した場合はどうなるか
特定技能外国人が離職した場合、在留資格に基づく活動を継続できない状態になります。同一分野内での転籍は可能ですが、所属機関がなくなった状態では在留継続が困難になります。施設側は速やかに出入国在留管理庁への届出を行う義務があります。
特定技能介護人材を受け入れるまでの標準的な期間は
海外から招致する場合、試験合格→在留資格認定証明書の交付申請→ビザ発給→来日まで、概ね6〜10か月を見込むことが一般的です。国内在留中の技能実習2号修了者を移行させる場合は、より短い期間でのスタートが可能なケースがあります。
外国人材の社会保険の取り扱いはどうなるか
特定技能外国人も日本人と同様に、健康保険・厚生年金保険・雇用保険への加入義務があります。未加入のまま受け入れることは法令違反となります。
介護分野の特定技能2号はいつ設けられる可能性があるか
2026年時点では介護分野に特定技能2号は設けられておらず、政府方針として現時点での変更は確認されていません。在留資格「介護」(介護福祉士)が長期就労の法的出口として機能しているため、制度設計上の役割分担が明確です。今後の動向は出入国在留管理庁の公式発表をご確認ください。
特定技能外国人の報酬設定の基準は何か
最低賃金を下回ることはできません。加えて、同等業務の日本人常勤介護職員と同等以上の報酬水準が受入れ要件として定められています。パートタイム職員との比較では要件を満たさないことがあるため注意が必要です。
まとめ——特定技能「介護」を5年で終わらせない採用設計を
特定技能1号「介護」は、介護現場の人手不足を補う実務的な制度です。しかし「5年で終わる採用」と捉えるのは制度の一面だけを見た理解です。介護分野固有の「特定技能1号→介護福祉士→在留資格『介護』」というキャリア移行ルートを正確に把握し、最初から長期定着を見据えた育成計画を設計することが、採用投資の効果を最大化することにつながります。
2025年12月末時点で介護分野の特定技能在留者は67,871人、充足率50.3%とまだ拡大余地があります。2026年3月に外食分野で上限運用が開始されたように、制度は変化します。受入れ体制・支援計画・コンプライアンス面の整備を今のうちから進めることが、安定した人材確保につながります。
受入れ要件の確認・協議会加入・支援計画の策定・定着支援——これらをすべて自社で担うことが難しい場合は、登録支援機関との連携を検討ください。
採用手続きや受け入れ体制についてご相談をご希望の企業様は、ICO Japan(https://icojapan.co.jp/)よりお問い合わせいただけます。
※本記事は出入国在留管理庁・厚生労働省が公表している情報、およびICO Japanが独自に集計・分析した統計データ(2025年12月末時点)をもとに作成しています。制度の詳細・最新情報は必ず各公式機関でご確認ください。
